薬味としては古くから利用されており、ミカン科サンショウ属に分類される落葉低木。
普段使っている粉山椒は、山椒の実を乾燥させて作ります。
中国の四川料理は、辛くて口をしびれさせることで有名ですが、
そのしびれの元になるのが山椒です。
一般的に山椒は調味料として使われていますが、
これは山椒の果実の皮を粉末にしたものです。
食物繊維、カルシウム、タンパク質、カロチン、脂肪、ビタミンB1,B2,E、炭水化物、灰分、マグネシウム、鉄、マンガンなど。
サンショオールやシトロネラール、ジペンテン、フェランドレン、ゲラニオール、リモネンなど。
胃腸の機能を高める効果などが期待できます。
漢方医学では、鎮痛、殺虫、解毒、嘔吐、腹痛、下痢、消化不良、寄生虫駆除などにも用いられています。
また、不整脈、狭心症、消火器系統の病気の治療にも役立つことが確認されています。
山椒の皮を煎じたものを患部に当ててマッサージ。
辛味の刺激で血液の循環を良くし、ひび、しもやけの治療効果があります。
山椒の皮に含まれているシトローネなどの精油分は、健胃、保温などの効果があります。
胃がもたれたり、つかえたりしている感じの時に効果があります。
山椒のピリリとした辛さは、夏場など食欲がない場合に有効。
食中毒の予防になります。
精油が含まれている山椒の葉を刻み袋に入れてお風呂に浮かべることで、
保温性を高め、刺激分が神経痛などの症状に効果を発揮します。
回虫駆除、虫下しには山椒を煎じたものを空腹時に飲むと効果が期待できます。
山椒から抽出された油は、喘息を抑える効果があります。
山椒の抽出物には、免疫力を高め、血栓の形成を遅延させ、血小板の凝集を抑制する作用もあり、消化系などに影響を与えることが分かっています。
また、胃の潰瘍の形成を抑制する作用があり、胃腸の活動を調節し、
肝臓を保護する効果もあります。
山椒の粗抽出液はリポフスチンの形成を阻止して、抗老衰、抗酸化作用を発揮します。
山椒は部位によって香辛料や調味料、薬味、漢方薬、美容品などに利用できます。
山椒は、木の芽、果実、葉、種などの部位を使うことができます。
山椒は、春ごろ「木の芽」と呼ばれる新芽が出てきます。
木の芽は見た目もきれいで、お吸い物、茶碗蒸し、酢の物、刺身のつま、ちらし寿司などに
そのまま利用できます。
山椒のさわやかな香りを味わうことができます。
夏前には青い実を収穫することができます。
これは「実山椒」・「青山椒」などと呼ばれ、
この時期の実は、柔らかいので種ごと食べることができます。
塩漬けや醤油漬けにし、煮物などのトッピングなどによく使います。
醤油煮にすることでご飯のお共としても最適です。
一緒にちりめんじゃこと煮込むと有名な「ちりめん山椒」になります。
秋になると果実から種子が弾けだします。
種子を取り除いて乾燥させるとさまざまな料理に使うことができます。
使用時にすり鉢などでつぶして使用するとさわやかな香りの山椒を楽しめます。
これが一般的に「山椒の粉」と言われるものです。
粉山椒や七味とうがらし、カレー粉、ウスターソース、山椒塩などのように
香辛料や薬味として使用できます。
漢方では花椒や青椒を煎じて用います。
美容品としては保湿・血行促進・白髪予防の薬用シャンプーなどに山椒エキスが使われています。
山椒には、いくつかの種類があります。
野山に自然に生える野山椒。
これは、植樹している山椒や自然に生えている野山椒が自然に種が運ばれ自然発芽、生育したもの、実生のものです。
山椒に似ていますが、葉に悪臭があります。
食用にはできません。
山椒と似ていますが、匂いがよくないので食用には適しない。
主に生果を使って佃煮として利用されます。
野山椒に比べ、とげがなく房に付く実が大きく、数も多い。
ぶどう山椒は、香味料や薬用に多く利用されている乾果専用の山椒。
うなぎの蒲焼きにかける香味料は、コレ。
朝倉山椒の実よりさらに少し大きく、ブドウのような形をしているところから呼ばれているようです。
粉山椒は香りが飛びやすく、色が変わりやすいので、
瓶ごと保存パックに入れ冷凍保存するのが良いでしょう。