青森県の地方野菜・伝統野菜

青森県の地方野菜・伝統野菜

 
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青森県の地方野菜・伝統野菜

青森県ならではのその地方特有の野菜、伝統的な野菜があります。
多くは他県の人はほぼ知らないけれど美味の珍しい野菜もありますよ。
その土地に行ったら試してみる価値はあるでしょう。

 

糠塚きゅうり
ふかうら雪人参
阿房宮(あぼうきゅう)
一町田せり(いっちょうだせり)
大鰐温泉もやし(おおわにおんせんもやし)
おこっぺいも
がんく短(がんくみじか)
筒井紅かぶ
笊石かぶ(ざるいしかぶ)
清水森なんば(しみずもりなんば)
南部太ねぎ(なんぶふとねぎ)

 

 

糠塚きゅうり


生産地:八戸市糠塚地区
収穫時期:6月下旬~8月中旬頃

 

八戸市の糠塚地区で主に生産されていることから名前が付いた。
シベリア系短太型きゅうりの多くは、煮たり炒めたりなど加熱調理が一般的。糠塚きゅうりは味噌をのせて生で食べるのが一番とも言われている。また味噌漬けや粕漬けとしても親しまれている。

 

生産産地が縮小傾向にあり、近年「八戸伝統野菜『糠塚きゅうり』生産伝承会」が設立され、栽培技術や種子の継承、生産復興などに取り組んでいる。

 

 

 

ふかうら雪人参


生産地:青森県深浦町
収穫時期:1月から3月頃

 

日本海に面する深浦町で雪の降る時期に雪を掘り起こし収穫することからこの名前がつけられた。
この人参は、雪の下で凍らないように自然の力で糖度を高めている真っ赤なニンジンで強い甘みを持つのが特徴です。

 

この地域以上に最低気温が低いと「にんじん」は凍ってしまい、温度が高いとこの味を引き出すことはできません。この地域以上に雪が積もると掘り取りが困難になるし、雪がないとこの味を引き出すことはできません。
「ふかうら雪人参」の栽培は、この地に適していました。

 

 

用途としてカレーライスや煮物など熱を加えて調理する。またそのままスティックサラダにするとニンジン本来の甘さをよりいっそう楽しめる。

 

雪を掘り起こし、厳冬の時期に収穫するので一度に多く収穫することはできません。
また気温、降雪量などから、甘い雪人参を生産できる産地は限られています。農薬や肥料の使用を半分以下に抑えて有機肥料を使うことで自然環境に配慮した栽培が行われています。

 

 

 

阿房宮(あぼうきゅう)


生産地:八戸を中心に三戸に至る青森県南部
収穫時期:収穫時期10月下旬~11月上旬

 

大きな花びらを野菜として食べる食用菊。花色が黄色で花肉が厚い。
香りがよく、甘く、苦味がなく、歯ざわりがよい。生の花は茹でてお浸しや味噌汁の具として利用できる。また蒸してから干した「干しギク」は、湯がくだけで料理となる。

 

歴史的由来は所説あり、天保年間(1830~1844)に八戸の商人・七崎半兵衛が大阪から取り寄せた鑑賞ギクを改良した栽培品種であるという説と南部藩主が京都九条家の庭に香り高く咲いていた阿房宮を株分けしてもらい、南部の藩内に植えさせたのが始まりだという説がある。

 

名前の由来は秦の始皀帝の阿房という豪華絢爛の宮殿にちなんで阿房宮と命名された。

 

 

 

一町田せり(いっちょうだせり)


生産地:弘前市一町田地区
収穫時期:11月下旬~3月上旬

 

厳しい寒さや霜にあたることで歯ごたえがよく香りも高いセリ。
長く、シャキッとして、風味が良いのが特徴。青臭さがほとんどありません。

 

胡麻あえ、てんぷら、そば寿司、おひたし、などにおススメ。
葉や茎だけなく、根っこも食せる。

 

津軽地方は全国的にも有名な豪雪地帯で冬の水辺は大量の降雪と寒さによりすぐに凍ってしまうのですが、この地域は岩木山の湧水が常に流れてくることでセリ田が凍らず、真冬でも収穫作業をすることができる。
400年の歴史を誇る津軽では有名。

 

 

 

大鰐温泉もやし(おおわにおんせんもやし)


生産地:大鰐町
収穫時期:通年

 

長さ40cmほどに育つもやし。
大豆もやしとそばもやしの2種類があり、歯ごたえと独特の香りが特徴。加熱してもシャキシャキとした食感が失われない。

 

栽培方法が独特で一般的なもやしは暗い部屋の中で水耕栽培するが、大鰐温泉もやしは温泉の熱を利用した土耕栽培を行っている。
江戸時代からのこの栽培方法を行っており、土の畑に「沢」と呼ばれる穴を掘って種を蒔き、ワラで光をさえぎって1週間。温泉の熱で土の温度は常に30℃程度に保ち、発芽したもやしは、40センチほどにまで成長する。現在の大鰐温泉もやしの生産者は6軒。

 

江戸時代の弘前藩3代目藩主津軽信義公(1619~1655年)が栽培を推奨したという記録が残っており、350年以上の歴史がある。
栽培者が極めて少なく、種は門外不出で、栽培法も秘伝という貴重なもの。
津軽藩御用達で冬の間だけ栽培されてきた津軽の伝統野菜。

 

 

 

おこっぺいも


生産地:大間町奥戸(おこっぺ)地区
収穫時期: 9~12月

 

皮は黄色で扁卵形の大きめなじゃがいも。
粉質で白く、芯までホクホクして粉を吹くが、サラサラした食感。淡白でいてコクがある。

 

男爵いもより3年早い明治38年にアメリカから導入された「バーモント・ゴールド・コイン」という品種で和名である「三円薯(さんえんいも)」を栽培し、「オコッペいもっこ」のブランド名となった。
食味や収量性に優れていたことから、奥戸地域では自家用として作り続けてきた。

 

 

 

がんく短(がんくみじか)


生産地:東北町、五戸町、十和田市
収穫時期:晩秋と春の2回

 

長芋の一種。首が短く肉づきが良く、色白で粘りが強くアクが少ないのが特徴。サクサクとした歯ごたえがある。水分が多く、粘りは少ない。
秋に収穫したものは完熟したてのみずみずしさがあり、春収穫のものは熟成したうま味がある。千切りやとろろなどの生食のほか、地元では煮物、炒め物、揚げ物などにして食べる。

 

青森県で栽培されている長芋のほとんどがこの種である。

 

 

 

筒井紅かぶ


生産地:青森市筒井地区
収穫時期:10月下旬~11月下旬

 

形はほぼ球形で表皮だけではなく、茎も葉も赤く中身も赤みを帯びているのが特徴。
生で食べると硬く、やや辛味がある。漬物にすると鮮やかな赤色になり、加熱すると甘みが出るためグリルやスープにしても美味しく食べられる。

 

青森市筒井地区で古くから栽培されている在来種の赤かぶ。栽培効率が悪いため生産量はわずか。

 

 

 

笊石かぶ(ざるいしかぶ)


生産地:筒井地区、南津軽郡田舎館村の豊蒔地区
収穫時期:11月

 

果皮は淡い紅色で果実はピンク色の洋種系の赤かぶ。
酢漬け、塩漬け、糠漬けなどの漬物に利用されている。

 

平家の落人が青森県久栗坂(くぐりざか)地域にもち込んだことから栽培が広がったといわれている。

 

南津軽郡田舎館村の豊蒔地区で栽培されてきたが、最近は栽培量が減少している。現在は生産者の高齢化で自家用程度しか栽培されていない。

 

 

 

清水森なんば(しみずもりなんば)


生産地:清水森地区
収穫時期:8月~10月

 

マイルドな辛みでししとうに近く、口に入れた瞬間は甘みを感じるとうがらし。糖分を多く含み、ビタミンBやCも豊富な野菜。

 

津軽の在来とうがらしで江戸時代後期に弘前藩の初代藩主・津軽為信が京都からもち帰り、清水森地区で栽培させたのが始まりだといわれている。400年以上の歴史のある食材。

 

 

 

南部太ねぎ(なんぶふとねぎ)


生産地:南部町
収穫時期:10月下旬から11月

 

太いものでは白根の部分が直径3センチを超え、長さも1メートル前後まで育つネギ。
太さと甘味が最大の特徴。緑の葉の部分も柔らかくまるごと1本食べられる。

 

南部町の生産者によって品種研究され、昭和39年に農林水産省に種苗登録された伝統野菜。絶滅しかけていたが、町内にただ一人残っていた栽培者から種を取り、今や少しずつ生産面積を増やし、復活の道筋をたどっている。

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