宮城県ならではのその地方特有の野菜、伝統的な野菜があります。
多くは他県の人はほぼ知らないけれど美味の珍しい野菜もありますよ。
その土地に行ったら試してみる価値はあるでしょう。
・よめごささげ(よめごささげ)
・鬼首菜(おにこうべな)
・上伊場野芋(かみいばのいも)
・からとりいも(からとりいも)
・荒町菜(あらまちな)
・余目ねぎ (あまるめねぎ)
・石森の垣まめ(いしもりのかきまめ)
・一本太ねぎ(いっぽんふとねぎ)絶滅
・観音寺せり(かんのんじせり)
・仙台長なす(せんだいながなす)
・仙台はくさい(せんだいはくさい)
・仙台芭蕉菜(せんだいばしょうな)
・仙台雪菜(せんだいゆきな)
・小瀬菜大根(こぜなだいこん)
・ちょっぺ茄子(ちょっぺなす)
・長下田の小豆(なげたのあずき)
・むかし垣まめ(むかしかきまめ)
・もちとみぎ(もちとみぎ)
・黒沼のつぼみ菜・からし菜(くろぬまのつぼみな・からしな)
・新道のかき菜(しんどうのかきな)
・長下田うり(なげたうり)
・横山のにら(よこやまのにら)
生産地:登米市豊里町
収穫時期:8月末
自家採種で作付している豆。50年以上前からこの地区で生産されていたものと思われます。
このよめごささげを使って南部藩の郷土料理「けの汁」が作られる。この「けの汁」は野菜や山菜など13種類もの食材を煮込んだ料理でよめごささげが欠かせない食材となっています。
生産地:大崎市鳴子町
収穫時期:11月頃
葉の付け根、根や株が赤色になる紫茎系と発色しない緑茎系がある。赤色はアントシアン系の色素である。
この地域の標高300m~350mの風土が独特の風味をもつ鬼首菜を作り上げる。
自家用として栽培しているツケナの一種でカブナの仲間。大正年代に山形県最上地方から魚などの行商とともに鬼首菜の種子がもち込まれたと伝えられている。地元では「地菜っこ」とよんでいる。
塩漬け、ふすべ漬けなどには、鬼首菜の茎・葉・根などの部位が利用される。地元では、収穫後すぐに湯通しして塩漬けなどの惣菜に。霜にあたるとよりいっそうの甘味が生じる。
草丈が40cmほどになったら根こそぎ収穫する。
生産地:大崎市三本木町
収穫時期:10月下旬~11月下旬
小ぶりで茎が赤紫色なのが特徴の里いも。
大崎市の限られた地区だけに古くより伝わる。生産量が多くない上に連作が難しい。収穫されてもほぼすべてが市場に出回ることはまずないので”幻のいも”と呼ばれ珍重されている。
特有の甘みと旨みが絶品といわれる里いもでねっとりとした食感が特徴でクセがなく多様な具材,調理法と相性がよいことが魅力。
生産地:仙台市
収穫時期:9月下旬~10月中旬
さといもの仲間で見た目は良く似ているが茎の色に赤と緑があり、芋はねっとりとして上品な甘さがあるのが特長。
仙台地方では皮をむいて乾燥させて保存する。
里芋と違ってからとり芋にはぬめりがない。じっくり煮込んでも煮崩れするることはなく、濃厚で緻密なねっとりとした食感でまろやかな味わい。
おでんや芋煮汁の具にも最適。乾燥させたものがよく用いられているが、生のものをゆでてみそ汁の具や煮物、和え物にしても美味。味噌汁の具、煮物に利用する。また、正月料理や収穫祭に用いられる。
正月料理や収穫祭などに用いられてきた。
生産地:登米市登米町
収穫時期:3月下旬~4月
登米町の荒町という集落でのみ栽培されている「荒町菜」。見た目はつぼみ菜に似て甘くてほろ苦く、香りもある。茎の部分がおいしい。
起源は不明ですが、登米は宿場町で北上川の水運が栄えていたので国内のどこからか登米を行き交う人がこの地に持ってきたと推定される。
おひたしにして食す。その他、ごま和えや漬物。
生産地:大崎市
収穫時期:秋~冬
仙台の曲がりねぎの一種。土のかかった部分は白く、軟白の中ほどから大きく曲がる。
明治時代後半に余目の住人が導入。軟白技術の改良の過程で立っているネギを横倒しにして上から土をかけることによって「曲がりネギ」をつくり出した。土のかかった部分は白くなる。
横倒しにして栽培するため、本来は真直ぐに立ちあがろうとする性質があるので、軟白の中ほどから大きく曲がる。
軟白部は軟らかく、甘味がある。
生産地:登米市中田町
収穫時期:6月
紫の花が咲く。スナップエンドウに似ている。
スナップエンドウは白い花を咲かるが、石森かぎまめは紫の花が咲く。
現在は、中田町石森桑代の佐藤家のみで栽培。
風味が強く、個性的な味。味噌汁に入れて食すことが多い。
生産地:登米市南方町
収穫時期:11月~3月
軟白部は太くて長く、肉質の柔らかい品種である。
ルーツは不明だが、戦前から作られていたとされる。集落の多くの家で栽培されていた時期もあった。
味が濃く、食べると甘みが広がるが、辛みもあった。
すき焼きや鍋物に甘く柔らかく、ぬめりがあり、広く親しまれている。
生産地:登米市迫町
収穫時期:12月下旬
長く、太くて柔らかい葉柄に加え、根っこの部分まで食べることが出来るのが特徴。
井戸の水で栽培することで独特の香りがあり、しゃきしゃきした食感がうまれる。
味噌汁や鍋に入れることで独特の香りにより風味がよく出る。おひたしにしても柔らかい食感と香りのよさが際立つ。
正月の雑煮には無くてはならない食材。
生産地:仙台市
収穫時期:5月下旬
細長く先が尖っている形状が特徴。色は黒紫色。
明治30年代には、仙台付近で仙台長なすの栽培が行われていた。
漬物、煮物、天ぷら、田楽などにして食べられる。
生産地:仙台市
収穫時期:11月下旬
頭部が浅く、外側の葉は円形で内側の葉は純白。重さは2.5kgほどになる。
宮城県には明治28年に導入され、松島で栽培され、品種改良した「松島はくさい」が育成された。この品種をもとに改良され「仙台はくさい」の名で日本各地に広がった。
肉厚でやわらかく、甘みが強い。霜が降りる頃になるとさらに甘みが増し、漬物などに適している。
シャキッとした歯は、生でも使えサラダや和え物にしても。その他、煮物、炒め物、鍋の具材にも。
生産地:仙台市
収穫時期:冬
葉の色がやや淡く、葉は大きく長い。漬け菜の仲間。葉の形が芭蕉に似ていることから芭蕉菜の名がある。
古くから漬物用の菜として栽培されていた。耐寒性が強い。ほかの芭蕉菜と区別するために「仙台芭蕉菜」とよんでいる。
仙台芭蕉菜の漬物には臭みがあるため、熱湯で湯通ししてから漬けるとやわらかく漬かる。
その漬物でごはんを巻いたり、炒め物、鍋にも用いる。
生産地:仙台市
収穫時期:12月下旬~1月
葉が長く、濃緑、丸型で肉質が厚い。
雪の中で育つ軟白ハクサイであることから付けられた名である。
雪に数回あたってから収穫すると甘味とほろ苦味のバランスがよく、独特の風味がある。
しゃきしゃきとした食感があり、味が濃いとされるアブラナ科ツケナ類ならではの独特の濃厚な風味が特徴。
お浸し、煮浸し、みそ汁の具、天ぷら、中華風炒め料理などに。
生産地:加美郡加美町
収穫時期:10月中旬~11月中旬
一般的な大根と違い葉の部分を食べる珍しい大根。葉の長さは80~100cm にもなる。茎は柔かく、肌ざわりがよい。根はほとんど大きくならない。
かつては冬の漬物用として利用していたが、現在は調味液を使って漬けにしている。漬物は時間が経つとべっこう色になり、青い葉のときとはまた違った味わい。
漬物のほか、みそ汁の具、煮物などに。
生産地:白石市蔵王町
収穫時期:7月~9月
果実の先が尖っているなす。長さが20cmぐらいになり濃紫色で黒色に近い。
名前の由来は先端がちょぺっと(ちょっと)尖っていることからと言われている。
皮、肉質とも柔らかい。漬物に使われることが多い。
生産地:登米市石越町
収穫時期:8月中旬
昔は大豆と一緒に作付していた。
石越町北郷の長下田地区で作付されていたことは確認されている。
小豆はあんこの原料となることが多い。
生産地:登米市米山町
収穫時期:4月~5月
紫のきれいな花を咲かせる。見た目はスナップエンドウに似ているが、スナップエンドウと比べると味が濃い。
このむかし垣まめは、収穫量が意外に多い。
味が濃い。色が黒いので味噌汁に入れると味噌汁自体も黒くなる。煮物などにするときは皮つきで食す。
生産地:登米市
収穫時期:8月頃
黒色、紺色をしているトウモロコシ。
最大の特徴は黒色、紺色をしている実の色にある。
昔は県内で広く栽培されていたが、昭和40年代に甘みの強いスイートコーン種が農村に普及したため、徐々に作付が減った。
普通のスイートコーン種と比較すると甘みは劣るが、もちもちとしており、噛みごたえがあり、腹もちがよい。
生産地:登米市中田町
収穫時期:3月頃
大根の葉に似た形。アブラナ科の葉物野菜。やわらかく、ちょっとからいのが特徴。
中田町宝江黒沼の住民が東和町嵯峨立から嫁ぐ際に持参したつぼみ菜とからし菜の種。
つぼみは柔らかく、こがらいのが特徴。漬物やおひたしにして食す。
生産地:登米市石越町
収穫時期:4月~5月中旬
アブラナ科の一種で鮮やかな緑色。
掻いて摘むので「かき菜」と呼んでいる。市販されている種で似ている葉物はあるが、味は違う。
かつては石越の直売所にも少量ですが出荷していたが、現在は一軒のみの栽培。
苦味のある味が特徴。おひたしにして食す。
生産地:登米市石越町
収穫時期:8月中旬
全国にも珍しい下ふくれの形をした白瓜。色は淡白でやや緑色を帯びている。
岩手県に伝わってきた「なしうり」や「まうり」が自家採種によってこの地に根付いたのではないかと言われている。一つの種から10個以上が収穫できる。
甘みがなく、生食には向かないが、クセのない味。漬物に活用される。
生産地:登米市津山町
収穫時期:4月下旬~10月頃
一般のニラよりも幅が細いのが特徴。糖分があるので一般のニラと比べ甘味が強い。
由来は不明。この地区で古くから栽培されている。
おひたしや味噌汁に入れて食す。甘味が強めなので普通のニラとは全然違う味わいが楽しめる。