北海道ならではのその地方特有の野菜、伝統的な野菜があります。
多くは他県の人はほぼ知らないけれど美味の珍しい野菜もありますよ。
その土地に行ったら試してみる価値はあるでしょう。
主な生産地:札幌市
収穫時期:10月下旬ごろ
ひとつ8~20kg、直径が40~50cmになる大型の品種。大きいため冬に外側が傷んでも中身は食べられる部分が確保できる点と葉が肉厚でしっかりとした食感が特徴。大きすぎるので一般家庭よりカット野菜として使われることが多い。
葉はロウ質が多く、軟らかく、甘味が強いのが特徴。生食、漬物、煮物などに使われる。北海道では冬の間の貴重な野菜でニシン漬やサケの挟み漬けなどに使われる。
明治初期に開拓者がアメリカからキャベツの種子を導入し、札幌官園で試作を始め、名前は、昭和初期から「札幌大球」と称されるようになった。当初は漬物用として広く栽培されたが、漬け物需要の減少や重いため作業負担が大きいので生産量は徐々に減少。ただにしん漬けには札幌大球、といった根強いファンも多い。
食感だけでなく、甘くて風味に関心が高まり、飲食店や食品メーカー、学校給食などで多く使われている。
生産地:三笠市、岩見沢市などの空知南部と芽室町、 清水町などの十勝中西部など
収穫時期:8月中旬~10月下旬
糖分は少ないが、噛み締めたときに何とも言えない旨味と風味がある。醤油をつけて焼いて、独特の香ばしい香りを楽しみながら食べるのが美味。「ロングフェロー」や「札幌八行」などの硬粒の品種群で粒列が八行、穂はやや円錐形で太く、茎部から頂部に近づくにつれて細くなり、茎部の粒の配列がやや乱れることが特徴。収穫後、すぐ甘みなど味が落ちてしまうので流通に向かないが、硬粒種のとうもろこしは乾燥させると実が硬くなり貯蔵性に富む。
明治の中ごろ、札幌農学校の教師がアメリカから導入した硬粒系の「ロングフェロー」や「札幌八列」という品種からつくられた栽培品種。実が1周に8列並んでいるのが特徴。石川啄木の詠んだ歌「しんとして幅廣き街の/秋の夜の/玉蜀黍の焼くるにほいよ」のモデルになったとうもろこしとされる。
生産地:札幌市東区
収穫時期:9月初旬
1個の球の重さは200gほどになる。外皮は茶色がかった黄色で形が不揃い。病気に弱く、長期的な保存はできない。
辛味、甘味ともに濃く、肉質が軟らかい。
明治時代に札幌農学校のアメリカ人の教官がタマネギの栽培を始めた。これが日本のタマネギの栽培の先駆といわれている。
昭和時代に生産の最盛を迎えたが、病気に弱く、栽培が難しなどから生産が減少。F1種が台頭した。
「幻のタマネギ」と呼ばれるようになったが、そのおいしさが見直され、近年、再び栽培農家が増えている。
生産地:北海道
収穫時期:9月~12月頃
球状の形で皮の色は黄白色、肉色は白色。
食べたときのあじわいが良い。
煮崩れしやすいので粉ふきいも、マッシュポテト、サラダ、コロッケなどに向いている。
男爵いもの原産国は中南米。明治41年(1908)に川田龍吉男爵が、イギリスから種芋を輸入し、農家に栽培させたのが始まりで「男爵いも」の名がつけられた。
生産地:足寄町
収穫時期:6月上旬から7月上旬
大きくなると高さ3m、太さが10cm以上に育つ日本一大きなフキ。さまざまな複合的要因により足寄町でのみ大きく育っていると考えられている。
一般的に流通している山ブキに比べてアクが少なく、シャキシャキとした食感。
現在は足寄町の特産品として栽培されている。
生産地:北海道
収穫時期:9月初旬~
色は黒やダークグリーンで形がふぞろい、重さ約2kg位になる。皮が非常に硬く、太刀やまさかりでなければ割れないのが名前の由来。
ホクホクとした食感でクセのない甘みがある。
明治時代にアメリカから輸入された品種が、北海道の気候に順化したと言われている。
冷涼な気候に適しており、長期保存ができるため、冬場の貴重な栄養源として栽培されてきた。
現在は、栽培者が減り、「幻のカボチャ」と言われている。
生産地:主に北海道真狩村
収穫時期:9月~10月
食用ユリの品種「白銀(はくぎん)」は、茎葉の伸長する勢いが旺盛で鱗球の肥大が極めてよく、鱗片は丸みを帯びて、肉が厚く、純白で品質がよい。
独特の香り、甘味、食感でわずかに苦味がある。和風料理の材料としてあんかけ、和え物、炊き込みご飯、鍋物の具などに広く利用されている。
野菜としては水分が少なく、デンプンを多く含み、たんぱく質の含有量も多い。
北海道には古来から「えぞすかしゆり」「こおにゆり」「うばゆり」などが自生していて先住者たちが食用としていた。
現在、栽培されている品種は、おにゆりとこおにゆりの白然交雑し、さらに選抜して得た中から育成した「白銀」という品種。
生産地:北海道南端 松前町 上川地域
収穫時期:6月下旬~9月上旬
サイズは15㎝ほどで小振り。サイズが小さいのは、小さな品種という訳ではなく、成長すると黄色くなってしまうため早期に収穫するためである。
肉質は緻密で熟した果皮には網目があり、特に漬物に加工される。風味が強く、ほんのりした甘みがあり、シャキシャキとした食感が特徴。ピクルスに適している。
樺太(サハリン)から渡ってきたシベリア系のきゅうり。
生産地:札幌市
収穫時期:7月下旬〜10月中旬
細長く、熟すと濃紅色になる。
辛みが強く、葉と幼果は佃煮や煮物にする。乾燥させた果実は香辛野菜として漬物などに利用される。
乾燥用の果実としての栽培は少なく、緑果と葉トウガラシを利用することが多い。佃煮などにしても美味しい。
唐辛子が日本に入ってきたのは、戦国時代とされる。この品種は、明治中期に岩手県南部地方から導入され、北海道北海道に渡り、この地の気候と風土に順応したものと考えられている。
生産地:札幌市
収穫時期:9月下旬〜11月上旬
直根で白茎、表皮、果肉ともに白色。香りが豊かで歯応えが良い。
明治時代に始まった札幌でのゴボウ栽培。当時栽培されていた品種を「札幌」の呼称で定着させたのが由来といわれている。
生産地:札幌市
収穫時期:8月上旬~9月初旬
札幌発祥の枝豆。茶色の産毛がなく、鮮やかな淡緑色が特徴。草丈はややコンパクト。実入りがよく甘みがあり、枝豆の風味がある。
雪印種苗という会社が開発を進め、1974年に種苗登録された札幌発祥の枝豆で安定した品質と収量性で国内でもトップクラスの人気品種になっている。
生産地:北海道 函館市
収穫時期:10月中旬~11月初旬
平たく表皮、葉柄とも濃い紅色。肉質は緻密でやわらかく、千枚漬けが定番の食べ方。
関西から北海道に運ばれてきた「大野紅かぶ」から派生したもの。函館の赤土の土壌で栽培しないと、赤くならないと言われている。
生産地:北斗市を中心に道南一帯。
収穫時期:11月~12月頃
扁球型の赤かぶで直径10㎝位。外皮全体は鮮やかな紅色。葉の軸まで紅色に染まっているのが特徴。
肉質は緻密で甘みと特有の香気がある。塩漬けや酢漬け、糠漬けなどの漬物に適しているが、サラダや煮食にもOK。
関西地方の赤かぶの種が北前船で北海道に持ち込まれたとされている。道南の気候は15℃から20℃と冷涼でかぶの生育に適しており、この地域での栽培が盛んになった。
滋賀県の地域野菜である「蛭口(ひるぐち)かぶ」や「万木(ゆるぎ)かぶ」などと同系といわれている。